この記事は以前ロドストに上げていた日記(2024年11月23日公開)を一部編集して、改めて投稿したものです。

CWLS運営を経たその後

自らで設立した初めてのCWLSをこの手で爆散させてしまってから、恐らく4年半近く経った。

当時の自分は、ただすごく焦っていた、と思う。

知らぬ間に、でも確実に……気づけばれっきとした「社会人」になろうとしていた時期だったから。

けれど――何においてもビジョンがない。

夢や仕事もさることながら、関係を断ち切りすぎてきたあまり交流関係もろくに培っておらず、目も当てられないような有様と化していた。

正直リアルもネットも大差ない具合である。(どんな具合)

「ダメ元でもいいからコミュニティのマスターをしてみよう」と思い立ったのも、きっかけとしては「コミュニケーション不足の解消」という部分も多大に含まれていた。

云い訳がしたかった。「これでダメなら、『自分』に“並の関係値”は築けないんだ」と。

――まぁ、ダメだったから、今に至るしだいであり。

単純に云えば、「僕の早とちり(しかも勘違い)が発端となって、とあるメンバーさんを脱退まで追い込んでしまった」っていう最低極まりない話になる。

当時の流れを憶えてる範囲でまとめると、

STEP1
きっかけ

メンバーさん何人かと僕主催の地図で遊んでる時、あるメンバーさん(以降Aさん)がSNSにて「楽しくない」という赴きの呟きをしていたのをリアルタイムで見かけてしまう。

その日はそのまま解散。

STEP2
事の発端

後日またまたSNSでAさんがネガティブな発言をしているのを発見。

地図の件でAさんへの印象がかなり良くなくなっていた俺氏が「またこれなんか云われてね」と解釈。

STEP3
開幕

不満が明後日の方向にいき、ロドスト日記に愚痴を書き殴り公開。名前こそ伏せていたもののAさんには誰のことか分かるくらいの内容。

しかし口火となった発言に関しては完全に誤解だったことが判明し、批判殺到。

STEP4
幕間

一悶着もあり、結果としてAさんは脱退。

マスターとしてだけでなく、「一人の人間」の振る舞いとしても如何なものかと今度は自責の念に駆られ悶々。

自らの手で設立した手前、始まりも終わりも責任は持ちたかったので、マスター移譲は考えずに解散することを決意。

STEP5
事件拡大

後日会議に集まってくれたメンバーさんに「コミュニティを解散すること」「場合によってはキャラデリもする心構えでいる」等の意思表明。

しかしこの“キャラデリ”の一言が「脅しにしか聞こえない」と、一人の方の逆鱗に触れる。

今だから云える、ごもっともです、。

STEP6
終幕

その場がとんでもない荒れ具合になり、お互いの考え方の違いなど色々顕著に。会議後、集まったメンバーさんもすぐに脱退。

多くの方からの信用という信用を無下にしたままコミュニティを畳む形に。

という、終始「お前何してるの?」というだけの産物です。

人生単位で毎度傷つけてばかりで、自業自得の積み重ねの繰り返しに僕自身もまた傷ついて。

いずれにせよ、その一件を皮切りに随分とエオルゼアからも離れるようになった。

姉さんを道連れにふらっと帰ってみることはあった。だがそれもほんの数回のうちのわずかな時間。

当時メインで動かしていた自機――所謂“うちの子”とも例えられる存在のデータに至っては、紆余曲折を経た上で消してしまっていた。

そうして気がつけば、インすること自体しなくなった。

僕にとって「人付き合い」とは相当難しい類の代物なのだろうと実感を抱くには、エオルゼアの世界は十分だったと思う。

明るく、楽しく、時に共有しあう――そういう世界に混ざって暮らすには、自分はちょっと暗いし不穏すぎるな、と。

健康的で模範解答のような常識人たれと自らに言い聞かせて見栄を張った。

その程度の“虚飾”なんてものはやはり簡単にガタがきて、ボロが出る――どうしたってそうなのだろう。

泥にまみれてまた一歩

FF14の世界は所謂「MMORPG」であり、コミュニケーションを大前提としたオンラインゲームだ。

根本的に「誰かと一緒に遊ぶ」という方針がベースにあり、多くのコンテンツがそのようにして成り立っている。

つまり、そこには必ず血を巡らせる「人」がいて暮らしがあるという、考えてみればすごい規模のゲームなのだ。

実際、もう一つの社会と置き換えても差し支えないくらいなんじゃないかと思える。

で、肝心の僕自身はどう過ごしてるの?

まず語るまでもなく自分はMMOに向いていない。というかまずオンラインゲームが向いていない。

つまりお察しの通り満喫などできた試しがないのですごめんなさい。

野良が怖すぎるどころかPT募集ですら腹痛めるレベルである。

だからこそ、僕は色々と気にしすぎてしょうがなかった。

己の現実があまりに公言できるものではなかったから。

みんな今日も精一杯頑張って、笑って泣いて或いは怒って、健やかに暮らしているのかもしれない。

そうして“向こう側”に意識が向く度、思考と感情は迷宮入りした。

罪穢

「自分」はいったいなんなんだろうか。

気がつけばあれよあれよと社会不適合者になっていて、社会の中では歩くことすらままならなくなっていた。

素直に伝えればいいことでさえ真っ直ぐ伝えられず、周囲から求められるような“大人”になんてなりきれもせず、すぐ逃げてしまう「自分」――。

正直存在という存在から消したくて、消えたくてしょうがなかった。

そうやってうだうだしていたある時、何処ぞかでちらっと目に入ったイベント衣装に惹かれ、逃げるつもりでエオルゼアに帰ることにしたのだ。

みっともない成り行きと同時に、なんだかんだでかなり暫くぶりのエオルゼアだった。

当然ながら、現状など何もかも変わっちゃいない。自己主張はできず心身ともに廃れまくっていた。

でもやっぱり死ぬまで生きることしかできそうもないという、絵に描いたような堂々巡り。

反面――『あの世界』から身を引いたことで、新たに出来たこともあったにはあったのだ。

ついに、やっっっっと暁月エリアに入る決心がついたのだ。

振り返ろう、CWLSを爆散させてから「約3年半後」の出来事である。

……いくら何でも遅すぎね?

いや、この場所でくらい卑屈になるのはやめよう。

例え“やっと”でも、まずは一つチャレンジできたことを褒めたい。自画自賛だ。

なにせ暁月メインクエの最終討滅戦が8人フルパーティーじゃないと話にならなかったのだ。

姉さん以外と遊ぶ機会がほぼなかった僕にとって、最大の山場になったのは云うまでもない。

お疲れ様、僕。

伝えられなかった「ただいま」を

僕にとって『エオルゼア』という世界は、心安らぐような場所ではなかった。

誰が悪いとかではなく、単に自分には合ってなかったなというお話だ。

なにせ沢山迷惑をかけ、コミュニケーションの難しさを身に染みて覚えたような所だから。

しかしどうしてだろう。稀にこうして、『この世界』に帰りたくなる時はある。

一番はやっぱり、自キャラの顔が見たくなる時が来る。衝動的に。

だが僕にとって「キャラのインゲームデータ」があるかどうかは、実のところこだわる部分ではなかったりする。

罪穢

魂? 記憶? というか、“そこに存在している(た)”という事実が何より大事なのかもしれない。

そしてエオルゼアに復帰する度、ある人達の事を思い出す。

当時メインで操作していた『彼』を通して、ある約束をしていた元メンバーさん達だ。

CWLS解散後もこんな僕と縁を繋げ続けてくれて、「人」って冷たくも温かいんだと気づかせてくれた、自分にはもったいないような人達だった。

そんな彼らに、「いつかちゃんと帰ることが出来たら『ただいま』と云わせて欲しい」という約束をしていた。

あの約束はとっくのとうに期限切れだ。僕が本格的にエオルゼアから離れた後、彼らは彼らで色々あったらしい。

自分は一連の話を1歩離れたところで知って、その上で彼らとも離れることにした。キャラデリに至った経緯だ。

“CWLS解散”という云わば負の結束力に基づく繋がりだったため、時間の問題でもあったように思う。

だが彼らが寄り添ってくれた一瞬が、僕にとってはかけがえのないものだった。

後悔は避けられない。が、チャレンジした勇気が無駄になることもない――そう教えてくれた。

罪穢

やってみなかったら得られなかったものがあるのは間違いないから。

だから縁が途切れようと、彼らの存在をはじめとしたCWLSにまつわる出会いと別れを、僕は胸に刻めた。

「あなたになら嫌われてもいい」と思える人を、大切にしていきたいと思えた。

――あの時の彼らに、誰よりも最後まで話した“キミ”に。

泣きたい時にちゃんと泣ける日々を送れますように。

僕はもうあの時の『僕』じゃない。だが紛れもなく僕のまま。

背を向けて扉を塞いで、それでいてまだ逃げ続けているけれど。

恥を晒しながらでも、生きて死んでいこうと思います。依存して縋ってばかりじゃダメになっちゃうからさ。

出会えて良かった。そしてどうかお元気で。

少なくとも――僕には姉さんという、一緒に遊んでくれる存在が一人確実にいるのだ、ということを噛み締めて。